月/曠野
 
激しさを押し隠したまま
君は黙る

黙っていることの美しさ
手は何かを引きちぎる

あの湖に落ちていた丸いもの
半円のもの
傷跡のようなもの

雲は何かを覆ったまま
誰にも見せまいとするように
厚くなっていき

それでも突風が
あらわにしようとするから

冷たい輝きが
こぼれてしまう

水面は揺すられ
崩れてしまう

ぼくは
うなだれてしまう
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