ハの夏/唐草フウ
かたまって凍った重装備の人形
だらりだらり
とけて失っていく
あしあとは蒸発して
絶えない あくびと同化する
空のなかに白いハネ
をした雲
むねに刺せないくらい
おおきくて
ただながめる
かたちおわるまで、ただ
黄色い丘陵のうえから
じしんなさげに遠くを見る
垂れ耳のいぬは
所在なさげなのに
やさしさにみちているから
なんだか頭が下がる
ハのじ眉なのに
あいたかったけどあえなかった日々は
シャーベットがどんどん凍り固まるようで
またごあいさつからはじめよう
太陽よ、とかせ
戻る 編 削 Point(4)