憾/木屋 亞万
 

絵に描いた餅が絵の中で食われてるだけじゃねえか
茶の間のババアどもは小判とぼた餅を待ってんだよ
棚の上から小便臭い説教してんじゃねえ

世界は素晴らしい愛は美しい
人生は素晴らしい夢は美しい
そんなことは最初からわかってる
わかってんだから綺麗なもんばっか寄せ集めんな
薄汚れたニュースの蜜なんか吸ってんじゃねえ

別に誰かに怒っている訳じゃない
ただ詩を書いているだけなんだ
川に笹舟を流すようなもんだよ

だけどやっぱり思うわけさ
自分のこと以外もたまには考えること
目の前のただひとつのことだけに全神経を集中すること
好きなことには心から真剣になること
まずは自分を、自分の五感を信じてみること
生々しく生きよう
人生の素材の味を大切にしよう
自分を薄めないでいようってさ


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