夏の爆弾/秋の煙/吉岡ペペロ
 
高台から海を眺めていると
海がとまっているように見えた

青い革の精緻な模様が
いっさいの動きをとめている

夏光のちからが
今日はすこし遠くに感じられた
陽射しがほどけはじめている

薄まった緑の香り

どこかで夏の爆弾が爆発したのだろう

音がした訳ではない

鼻をつんとなにかがはしった
秋の煙の匂いだ

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