始点/
青色銀河団
始点
まだ、精製されない月が、なめされてゆく朝、
わたしの瞳は、真っ白なままの夏の果実だ。
ながめるままに、わたしのからだは、白く締まり、
背中には、灰のまじった、蓑毛が生える。
もやいだ気体は歪み。固まり。ループする電線。
近しい影は、次々と、むぞうさな女の字面に変る。
生い茂った一むらの葉に
弔いにくる人々。
そのひとりひとりに、
美しく装丁された、
繭を差し出す。
草の始まり。
戻る
編
削
Point
(5)