げんそうはげんそんか。/志賀羽音
 
 げんそうを知りたかった。
 えいえんが分からないから。
 げんそうをどういうものか僕はみてみたかった。
 えいえんがなかったから。





 ほしとほしが干からびて補えなくなった時、ほしは日の下に生まれることはなく崩れ落ちた。月は抜け殻のように白くなって、雲は老けたように白くなって、青色だけが空に存在した。

「香箱を作る白い猫の目だけは、空の色をうつしているよ。
 地球のようなその目は、いったい世界の何をうつしているんだろうね。」





 少年は白い少女を抱きかかえている。少年と少女の背中に羽根はなかった。そもそも少年や少女に羽根があると誰が言った
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