炎天/
吉岡ペペロ
あともどりできない始動のあと
結果はすぐ眼前に置かれている
そうして自問自答が始まるのだ
セミが鳴いている
草の濃い匂いがかすめる
汗の頭がため息みたいな息をつく
7番アイアンでグリーンセンターまで
あと160ヤードを攻めにゆく
こんなふらふらの身体にも
そのくらいの勇気と闘志は残っている
風もないのに風を感じて
フェアウェイのなだらかな坂を踏んでゆく
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