化石の寿命を/
因子
いつからか 独り言がふえて
よけいな言葉は
詩をつくらなくなった
目がさめたら
黒板は白く埋まっている
「もう充分です」
だからもうかえりなさい
言外に、言外へ
言葉も私も
化石にはなれなかった
気味悪く まだ
よけいな器官が、うごめいているから
たばこも酒も知らないけれど
悪いものだって、そう、
受けいれて受けいれて、
だけど、まだ、
生きていたい、
あらゆる価値を失くしても、
ただ、立っていたい
わがまま でも
戻る
編
削
Point
(6)