アレジオン/e.mei
 
を見よう
あたらしい
あたらしい夢を見よう
そして全部忘れてしまわないか





子供たちが去っていったのは僕の生まれた日
新しい世界の誕生もまたその日の朝だった
クリームが少しばかり多めに降っていたから目は赤くなっていた
青い世界で赤い瞳が遠くの遠くの空の向こうを見ていると
無数の星屑が落ちていく
ガラスの水車が時々まわって微かにクリームを混ぜている
自分にはそのクリームで前が見えないから
世界には青が降っているかどうか教えてくれと女は言った
炭酸を抜かないで
誰かの声を聴いた僕は静かに青を川に流した





世界には青が降っている
クリームで前が見えない
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