夜のように/れるむ
 

降りやまぬ雨
タイヤの音と

心地よい冷たさ
不快な湿度

それらが重なって
自然と一人になった


夏の夜

君と出逢って

幾度となく通りすぎてきた

季節もまた
無数にちりばめられた灰と化して

悲しみの雨を降らした


憂いを押し込めて駆け抜ける

夏の夜

空に散らされた花火もまた

君と同じ
艶やかさで照らす


陰と陽の粒を纏って夜は
果てにシンと鳴く闇に溶けた

檻の外にはもう
眠ることのできない
夜だけが転がっていた


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