月おくれ盆/信天翁
 
 ゴーストタウンとなったふるさとにも
    待ちに待った入道雲をみるとき
     描くそばからよごれていった
  過ぎ去りしかげが脳細胞をかすめる
    捕まえたあとから逃げていった
    うつつのひかりが悔恨を撫でる
       おゝ なんということか
     おらはまもなく タナトスよ
そなたのそばでとわの眠りに就くだろう
    でも決して焼却しないでほしい
 いとおしんだ青いゆめの押し花だけは

戻る   Point(1)