暗殺/吉岡ペペロ
運命論から見つめれば
すべての死は暗殺であると言えるのではないか
夏の
それもお盆のゴルフ場は静かだ
セミの声しか聞こえない
思考はクラブと汗の頭にしか存在しない
それが好きだ
このまま死んだら
やっぱりいいとこ行けねえよな
骨まで汗かいてる感じだし
こんがりましろく焼けねえだろうな
ああ!
中学生のころの暗い自意識が
セミの声とクラブと汗の頭にすりかわってら
煤けたおとなになっちまったよ
だから贖罪のように俺は唱える
運命論から見つめれば
すべての死は暗殺であると言えるのではないか
戻る 編 削 Point(1)