暗殺/吉岡ペペロ
 
運命論から見つめれば

すべての死は暗殺であると言えるのではないか

夏の

それもお盆のゴルフ場は静かだ

セミの声しか聞こえない

思考はクラブと汗の頭にしか存在しない

それが好きだ

このまま死んだら

やっぱりいいとこ行けねえよな

骨まで汗かいてる感じだし

こんがりましろく焼けねえだろうな

ああ!

中学生のころの暗い自意識が

セミの声とクラブと汗の頭にすりかわってら

煤けたおとなになっちまったよ

だから贖罪のように俺は唱える

運命論から見つめれば

すべての死は暗殺であると言えるのではないか
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