人の強さと美しさを知るとき/
瑠王
夏は暑いけど
古い家屋の少し距離のある小陰や
蔦の覆った厳めしい医院が相応しいでしょ
冬は寒いけど
ひとりぼっちのスキーや
しんしんと鳴る空気が澄んでいるでしょ
それでも
やっぱり秋がいい
冬に向けて
死への支度をする
その姿はなんて
例えようもなく美しいんだろう
潔く、物静かな微笑みをもって
残される者の心を引っ張る
そうやって彼らは
いつも、死んでゆく
戻る
編
削
Point
(3)