記憶/海 猫
揺れる景色を歩いてく
騒がしい蝉の声が
胸の音と重なった午後
逢いたい気持ちだけで
記憶を追いかけていく
想像した以上に
変わり果てた僕だけど
わかってくれるかな
君なら
溢れ出しそうな夢を
「全部叶える」と
強がったあの頃も
「離れても大丈夫
いつだって君を想う」
すべてを信じたあの頃も
今なら言える
全部、「嘘」になったこと
夢とか希望とか
目に映らない幻は
友情とか愛情とか
わかりにくい感情は
僕の歩んだ未来には
当たり前に
必要とされない
わかってくれるかな
君なら
叱ってくれるかな
君なら
逢いにいくよ
消えかけた記憶に
戻る 編 削 Point(1)