籠のなかの三日月/mayuki
 


こうして同じ形の月を見るのは何度目だろう。

コンクリートでできたこの部屋には灯りひとつなく、
窓はあの高くにひとつだけ。
それにも、頑丈な格子が嵌められている。
目の前の、重そうな鉄の扉は、僕の記憶の限り一度も開いたことはない。

――尤も、僕はそこからこの部屋へ入れられたんだろうから、
決して開かないわけではないのだろうけれども――


1日に三度、十分に与えられる食事。
ただそれを提供している人間とおぼしきヒトの顔は、
こちらからは窺い知ることはできない。
いつも、どうでもよさげな手が、食事の載った盆を、
扉の下から押し入れてくるだけだ。


彼ら
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