空き地/……とある蛙
 
作文書きます。

 自分の原風景は間違いなく 富ヶ谷の家の隣の空地だ。そこには子供の時のことが全部詰まっている。その空地に面して土手がある。土手と呼んでいるが、松壽町のお屋敷の敷地の一部で、入ってはいけないはずの土地ではあった。しかし子供は平気で出入りしていた。そこに基地と称する穴ぼこを掘って遊んでいた(斜面に横穴なので大変危険である)。
 悪餓鬼共と遊んだだけでなく独りぽっちでもそこで遊んだ。空想(妄想に近い)の中では自分はいつもヒーローだった。

 ワシントンハイツ(代々木のオリンピック青少年センターになった)の外人のガキ共と集団で喧嘩になった時の主戦場もその空地だった。原因は外人の
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