夢の其処にある色/蝶澤
 
爪に色を塗らないと落ち着かない

今夜は夜空色

熟れ過ぎみたいな月

毛の長い黒猫

その目はどこを刺しているの

「またね」でつくられる次の世界

爆音でつくられる今 嗚呼




涙を見守ってくれる誰か

認めてくれる誰か

いつまでもあの頃のことばかり思い出してる

幸せなかなしいゆめ

きっとつきやぶれば

血が流れるような別の何かがあるのだけど

そのゆめは性質が悪くて

息が詰まるほど甘いの

夢の底



轟音で安眠する

落雷に惹かれる訳

夜空にとけたい

   とけたい

言葉なんか

消えて



ただ 色を

  つけようよ


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