エスプレッソ/番田 
 

ようやく宿を見つけた翌朝
僕は早々にホテルをチェックアウトした
キャスターを転がしながら
マルセイユ駅の中に入る

機械に予約してきた番号を入れても動作しなかったので
駅員のいるカウンターに並んだ
すでにたくさんの人が並んでいて
ようやく僕の番がやってくると

係員のおばさんは咳き込んだ
調子が悪いから少し待って欲しいという
隣に移ると
明るい対応の女性がいたけれど
同僚とキスしている最中で面食らった

夕べ対応してくれた天使のような少年は笑っていた
彼はいったいいくつなのだろう
どちらにしてもあの歳の僕だったらなにもできなかった
今でさえも
ひねくれた
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