自由詩な葉っぱ録/美しい遺跡になるために/海里
 
これからの都市は
廃墟ではなく
ただ遺跡になる努力を尽くさなければならない

地震であれ戦争であれ
天災においても人災によっても
焼け野原になどならずにすむように

大事に大事に住み終えて
いつか撤退のときがきたら
そのまま緑に呑み込ませてやっていいような
発電所やスーパー堤防やビルたち、家々

未来の伝書鳩たちが
未来の街から街へと行き来するとき
羽を休められる水と地形の目印だけを残して

地球や
自分たちの国の一部分を
そんな風に地球から借りながら
きちんと返しながら

そんな都市計画を
そろそろ始めてみなければ
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