癖/
 
ねむりの終わりに
瞼があいてしまえば
また自分が始まる
他のものは始まらない

たとえば昼に
たとえば夜に歩きながら
誰かをあなたと呼び
夢をみる癖は直らない

いいかい僕はね
と呟いて
なにも続きがないことに気づき
あなたを誰かと呼び

自分が終わっていく
ねむりの始まりに
なにも掴めない手を伸ばす
そんな癖も直らない

誰かのようなあなたと
あなたのような誰かが
ひとつの微笑みを作った
戻る   Point(2)