ばくはつ。/神無月まりあ
 
すきだよ
すき
すきだ

きみを
たべたくなった

でも
ここにいないので

持てるだけの思い出を総動員して
きみの輪郭をなぞる

たよりない
あたしのきおく

きみのにおいをさがす
きみのくちびるのやわらかさをさがす

その手の甲がすき
その視線がすき

追い求めたらちくちくしてた
ひげのかたち

すき
すきだ
すきだよ

またねっていうときに
わらってくれる顔

ちょっとはにかんだみたいな
ふんわりわたしを焦がすそれ

あぁ
せつないな

あたし
きみにはいりたい

まるでなにかの病気みたい
こんなあたしがいるなんて誰にも聞いてなかったよ

ねぇ
きみに触れたいよ

ヒトより早い
鼓動を聞かせて?

すきだよ
すきだよ

だいすき。
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