小雨綺談/小川 葉
 
うな
変化を時々帰ったとき
ふと家で発見することがある

むかしの人脈の中で
いっしょに仕事しようと誘ってくれた
あの方に電話する
時には心細くなりすぎて
後悔にかたちを変える
気持ちだけが消せなくて
無意識に電話してしまうことがある

けれど電話に出ない
やはりあの頃と今とは状況が
すっかり違ってるんだろう
あれから五年
息子も五歳になっている

出会いとチャンスというものは
何も仕事だけではない
たとえそれらを逃しても
かわいくてしかたがない
家族の暮らしがあるのだから
僕は何度でも
同じ朝を迎えたい
 
 
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