それでも僕らはきっと祈りのために/ホロウ・シカエルボク
 



僕らは虚ろな階段を
カモメのように
カメムシのように
ひらひらと
ごそごそと
やりながら
途方もない一段を
へろへろと
へろへろと
のぼる


適当なフィルムを
はりつけたような青空
それが
いつ
暮れるのか
なんてことは
誰も
知ることはなくて
便宜的に
設定された世界で
僕らは
虚ろな階段を
のぼる
わけの
わからない歌を
確信のように
ぶつぶつ
うたいながら


彼方に見えるは
いつか
過ごしてきた街並み
生まれたり
求めたり
あきらめたりし
[次のページ]
戻る   Point(2)