1/34/エルメス
 
君は呟く。死にたい、と。

僕は知っている。君が僕の何倍も生きたいと思っていることを。



君は叫ぶ。学校なんか嫌いだ、と。

僕は知っている。君が僕の何倍も学校に行きたがっていることを。



君は主張する。友達なんかいないほうが良い、と。

僕は知っている。君は僕の何倍も寂しがり屋なのだということを。



君は泣く。独りを好み、閉じこもり、目を閉じ、音も立てずに泣く。

僕は君を見ている。独りが嫌いで、だけど独りかもしれない僕。




笑いたいなら、笑えば良い。

泣きたい時に、泣けば良い。

苦しいなら、逃げれば良い。


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