8月4日/過呼吸に見舞われない為に/遊佐
 


八月の桟橋の上から夏を覗き込めば
青い空にはキラキラ、ゆらゆらと、
白い雲にはもこもこ、ムックリと、
緑の木々の枝葉にはニョキニョキ、ほんわかと季節の欠片達
そこらじゅうに浮かび上がり、
そこはかとなく漂い、そこかしこに染みて行く。

一つに纏めれば真新しい皺となり額に収まって行く
また来たよと囁くように
挨拶代わりに。


一つ風が吹く度に、
一つ光が煌めき放つ度に解けて甦る記憶の欠片達が
また今年も額に深く刻まれて行くから
夏は年を負う毎に色濃くなり続け
大地から離れて行く分だけ空が近くなったと感じてしまう

沢山在りすぎて縺れてしまった糸の、
ピカピカのキラキラと一番綺麗に光るヤツを、

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