四隅でお洒落/中原 那由多
 
コーヒーのほろ苦さと
目薬の爽快感は
身体と一部となり呼吸する
デジタル時計に追い詰められて
日常生活とは何なのか、と
自問自答し仕事する


荒廃した感情を持ちながら
白昼夢に手を伸ばす
粉々、泥々、行き場を求めて彷徨って
小さな瓶の中
収まるわけなく溢れ出す


ボトルシップで大海原へ
後悔するなら今のうち
知らないものは腐るほどに浮かんでいて
右手左手一つずつ
掴めばみんな満足気


共感を求めて表現し
孤立するのもまた然り

優しい気持ちになりたくて
涙を流したことがある
強い人間になりたくて
怒りに身を任せたことがある

理解されないこの世は狭い
そう思う者もまた窮屈な匣の中に住んでいた


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