検体記/ogawa hana
 
昔、もっと好かれていたのは、てんとう虫を見て平気だった頃です
繭が剥き出しになって今 正座が辛くなってきました
点滅する街灯を、バックミラー越しに見る帰り際
君の姿は無いことが多い




共感、なんて ざわつく言葉を心を込めて発する君が好きで好きで
私まるで乙女のように戦慄してしまう
煌々と蛍光灯の照る下で
今夜は幾年振りに 肌を濡らしたんだ、わかるかい?







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