魔性の水/
邦秋
四半世紀ぶりに巡り逢えた
子宮の次に居心地のいい水
かえす波も照らす光も
ありのままを許す不思議な水
歩みを停めて足を浸ければ
すぐ渦創り吸い込んだ水
溺れてもいいと思えたときは
その溺れ方は考えなかった
僕のインクは色が濃いから
点が円になってしまうね
染まりきれたら綺麗な水が
濁って元に戻らないのに
不思議な水は色を透かして
潜む純粋を暴き出しては
溺れてもいいと思わせたなら
刹那、窒息、もがき始める
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