夏の空/sekka
 
窓のない この部屋で
青い折り紙ばかり見ていた

ねずみ色と呼ばれる紙を
雲に見立てて 丸く切ってみても
雨の色は思い出せない

目をつぶれば
いつかの遠い夏の空が
果てしなく広がり

大切なあの人が
目の前にいる気がして
急いで目を開けるけど

目に映るのは
小さく青い折り紙ばかり







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