回転する世界+忘却/熊野とろろ
 
者の
口唇から魂が飛び出しそうになっております
信号が青に変わりばたばたと人が倒れていきます
老人は幾重にも重なる掌のしわを青春と呼びました
青春がいつやら校長先生の朝の挨拶に刷新されます
三大詩人もホルモン注射を欠かせなくなりました

集団的安心などわたしは欲しくありません
地球儀を回転させまして
わたしが世界を揺るがします
みなも揺れてしまえば良い
混乱してしまえば良いのだと
わたしの心の中心には拭えない禍々しい日々がありました


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