それらしい詩/木屋 亞万
ことでできていて
それらしいことは命のつながりのなかで複雑になっていく
何だかそれらしいものを、いくつか手にとって見たけれど
それらしいものは決して曖昧さを脱いではくれない
ピアノの鍵盤はいくつも隣り合ってそれらしい音を出す
線はいくつも重なり合ってそれらしい絵画となる
言葉はいくつも飾りあってそれらしい文となる
人間はいくつも関係があってそれらしい性格となる
この世はそれらしいことでできている
はっきりしたものにこだわりすぎると、
知らない間に傷だらけになってしまうよ
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