焦点/草野春心
からだが
(からまって、かたまって
(こころが
(ころがって、ここにあって
(痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。}
在は痛む。
痛みは告げる。
此の個の裡に、
其れが反射するならば、
想が生まれるならば、
言葉のままに語ることができる。
言葉のままに語ることができる。
今、闇の時を越え、
さあ、手、放せ……。
そして硬直する核心を手に、
幾つもの焦点を無明の視界へ
……蒔く……。
我々は見ることを共有している。
我々は見ることで共有している。
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