・∞00〇◯00時◯〇00∞・/板谷みきょう
くじけた気持ちが満ちてくるのは
自分が気難しいせいだ。
軟化した脳で考えさせ
萎えた手で持つこと
折れた足で立つこと
遠くなった耳に聴かせる
衰えることを許さないかのように
若さを保たせることが素晴らしいと。
満足に話せない言えない口となったことを
知ってか知らずか
くどくどとうわ言のように
繰り返し呟き囁かれる言葉に
訳知り顔で愛想良く相槌を打ちながら
ゆるやかに流れる時を惜しむことも
許すことなく急き立てる
健康でありたいという願いに便乗しながら
無意識に伝えている笑顔には
老いて往く姿を醜いことだと
人生を管理しようとする慢心が
見え隠れ
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