腹痛/敬語
 

糞のような上司に扱き使われ、糞のような後輩に罵られながらの仕事を終えた僕は、朦朧とした意識の中で帰宅した。


霞んだ視界の中で、世界が僕を嘲笑っている。


絶え間ない幻覚と込み上げてくる吐き気を和らげようと薬を飲んだはずだったが、間違えて結婚指輪を飲み込んでしまった。


あぁ、哀れな結婚指輪。


だから、僕は指に填めたくないと言ったのだ。
だから、僕は家に置いておこうと提案したのだ。


しかし、あれを無くすと妻が恐い。


仕方なく僕は机にあったナイフで自分の腹を裂いた。
ずぶずぶと。ずばずばと。ぐちょぐちょと。

しかし、裂けた腹からは何
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