真夜中/ゆりあ
鈴の音がなったら
ここの階段をあがって
暗いから転ばない様に気を付けて
こっちへ来て
楽しいことしよう
電気は付けちゃだめ
みんなには秘密だよ
私とあなただけの秘密
真っ暗で
あなたの顔も
私の顔も見えない
でもそれでいいの
日常の感覚を真っ黒に塗りつぶすために
朝の国で一番になれないのなら
夜の国で一番になる
だからおいで
私は君の一番になるから
「白いワンピース/白くて細い脚だけしか見えない
彼女の黒い髪は左右に結わえられてある」
全てがあるべき場所にある
間違ってることなんか一つも無い
"だったかもしれない"
なんてありえなかったことでしょう
私はまだ生きている
でもやはり毎日死に近付いている
今日は急にそのスピードを速めたくなりました
死の匂いとはやはり甘美なものに自分には思えます
私は今すぐに真夜中の暗闇に溶け込みたいのです
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