無言/木立 悟
 
星の軸
無数の腔


雨は雨の
裂けめは裂けめの地図を読む
色に触れ
色を聴く


にじみにじみ にじみきり
青に譲り 青に譲る
ひとりがひとりに響くはざま
替え難い しじま


紙は斜めに斜めに重なり
新たな空と目の痛み
鳥と共に上下する火
浪へ消える階段に立つ


降る傷を 腔を
無言にあふれ出るものを
ひとつひとつ
くちびるでふさぐ


光は少なく
海は虹に満ち
底だけが明け
島を照らす


行き交うものなく
ひとつの舟がすぎては戻る
冬はむらさき
手のひらを発ち 手のひらに着く



















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