君の心臓/ゆりあ
あの娘がまっすぐにあたしを見るから
あたしはドキドキしてしまう
ああ神様いっそこの心臓をあたしから抜いてはくれませんか
リサの青い眼はとても澄んでいて
吸い込まれちゃいそう
「リサ、こんなとこに隠れてて大丈夫かな、見つからないかな。」
「大丈夫…静かにしてれば大丈夫よ」
リサは学校で一番位の高いクラスのバッヂをつけてる
制服もあたしの桃色と違って真っ白
リサの真っ白いブラウスが暗闇の中で光る
懐中電灯の光でリサの美しい金髪はより明るく白く見える
あたしもあんな綺麗な髪に…
「大丈夫よアリス、そんなに暗い顔しないで」
「だって…私こんな目に合ったことないし…死んじゃったらどうしよう」
リサはあたしの胸にそっと手を当てる
あたしはドキドキして心臓が飛び出しそう
「すっごい速く動いてる…ドキドキしてるの?アリス」
「だって…」
「だって何?」
あたしは急に嬉しくなって
今まで自殺しようと思ってた計画を廃止した
「リサ…良かったあたし生きてるわ」
あたしはリサの赤くて薄い小さな唇にキスをした
あああたしまだ生きていたい
戻る 編 削 Point(2)