静かな人へ、/e.mei
 
 そうするとかれの精神は、
          さかなより深く、
              眠ることになってしまうのですが、)
 

 ――かれがどれほど少女を望もうと
   かれはいつか橋から離れてゆくものです。
   離れたものに少女は訪れてはくれません。
   それはぼくにも言える事、
   また、かれもそれを知っているでしょう。
   神様の一秒、
   ぼくたちの頭上ではさかなたちが自由を求めて泳いでいます。
   その時は少しでも、
   彼女はぼくたちに祈りを捧げてくれるでしょうか?――


「きみは捕まえたはずの彼女の指から転げ落ち、
 沈めたさ
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