静かな人へ、/
e.mei
光がきみから離れていった夜のはなしをしよう。
「それは煙が濃くなり壁となった夜、
彼女が川にやってきたあの日のこと。
(――あれは少女の涙だったのかもしれない。……)
冬が終わればおしまい。
降る雪でひかりが見えなくなってしまえばいい。
(私は雪が見たい、)
飛んでいくものばかりだから僕も何処か、
忘れられる夜には、
小さな魚を渡そう。
流れる永遠、
ぼくはあた
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