回転芝居/薬指
 

回転芝居が始まるよ
枕を放り投げてチケットを買いに来な
本当を嘘に嘘を本当にしてあげよう
そんなことあるわけないって
きみは大きな声で言うけれど
月が滑り落ちるまでには
きっと気付いているはずさ
そうに違いないって
まるで反対のことを言って帰ろうとしないはずさ
知らないうちに太陽が待っていても


ぐるぐるぐるぐる
回転芝居
始めるだけなら
父さんに作り笑いをして喜ばせてあげるぐらい簡単だね
けれど終わらせる方法はとても限られているんだ
たとえばね
ベッドの上で指を絡める
日差しに目を眩ませて倒れる
助かると知っていて高い所から飛び降りる
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