流星群/e.mei
 


夢がまた落ちてゆきました
いつか僕たちはまぼろしの形をした記憶のなかに沈みます


君には誰も読んだことのない本を読んでほしい
うまれる星の話
海に咲いた永遠の話を
世界中の誰も言葉なんて知らない
目を開けば僕たちは明け方に消えた波みたいに
たちまち粉になって消えてしまいます
光の世界のなかですべてのものと融け合いながら
千回目の死を見つめ終わる頃に
泳ぐことをやめた真夜中の魚は霧のように薄く広がってゆく


月も太陽も人間も永遠も
何もかも
沈んでばかりいますね


風がやみ
夏に雪が降りだして
君が透明になったその時が旅の終わり
なのかもしれません





「(……)ね、」


「何がそんなに、悲しいの、」


「夢を、視ること。」





誰もいないホーム
電車を待たせながら君を抱きしめる
星の見えなかった夜の終わりに君は何を視ていたのだろう
何もかも全てが眠りについた世界で
君の体温を記憶する
言葉は永遠のまえに消滅して
僕は空に降る光を
視ていた
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