さようならわたしとあなた/とんぼ
あなたを諦める準備を
ちゃくちゃくと進めていますわたし
ひとりで呼吸できるように
震えがとまらない夜に しがみつくための毛布を縫ったりして
すきだけで一緒にいて
思い合うことで優しくしあえる関係になれたら素敵でした
だけどそれは恋人じゃない
傷も 痛みも 悲しみも持たない
温もりだけを求めているあなたと
わたしは恋を知ることができなかった
わたしの髪をなでるあなたの右手や
体中にふってくる声や熱がなつかしくて
それに感じる愛しさは本物だったから
手放せずにずるずると
今日も泣いてみたりするけれど
痛みを怖がって傷つけることもできないで
本当の距離に立つこともできない
恋をしたかったね
わたしもあなたも
恋をするべきなんです
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