朝食/
照留 セレン
鐘が鳴る
音が聞こえたら伸びをして
眩しさに慣れるまで俯いていた
顔をあげたら今朝も一人
ひっそりした台所で菜を刻む
ほうれん草は今日のいけにえ
日々繰り返される犠牲
ひょっとしたらひよこになったかもしれない卵を
フライパンでひっくり返して
黙とうは
星占いを聴きながら
冷蔵室のいきものを惣菜に
炊いた白いコメを食み
罪深さを恥じながらの黙とうのさなかテレビ受像機は
何処かの誰かの死を伝えていた
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