二番目のマリーに/熊野とろろ
 

「マリー、おれそろそろ出て行くよ」

気ままにメロドラマに感動して
勘当と父に告げられ

もう会うこともない

おれを裏切り 救済しなかったファムファタール
ディスチャージやジョー・ストラマーはもう山火事さ
勃起して コンビニの光は臓器移植じゃなく 熱くない

剃刀の傍でたむろってたのに
今は中央警察の公園
警察どものぼくのワンルーム
警察どものぼくのカフェラテ

もう目にすることもない

ぼくが作成したエクセルグラフよ
堕胎手術される額縁

「マリー、もうぼくは出て行くよ」

さしあたり夜の都会へ
アフターダーク 臓物のダーク
体重と睡眠薬との依存にもさっぱり手を切る

「マリー、からだが薄れていくようだ。ぼくの警察どもを殺しにいく」


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