やわらかな慈雨/吉岡ペペロ
やわらかな慈雨が
この岩に穴をあけたのです
どこからか種がやってき
うまい具合な風や雨や光だったのでしょう
穴から松が生えようとしています
教訓を見出だしたい訳ではありません
生はこれほどまでに自由なのか!
そんなことを考えていたのです
覚悟とは、さとる、の二乗のことです
歓喜とは、よろこび、の二乗のことです
生まれ落ちるほんのすこしまえ
覚悟を決めこんでいたのでした
生まれ落ちるほんのすこしまえ
歓喜を爆発させている夢を見ていたのでした
でも、あたしはでも
覚悟も歓喜も忘れてしまっていたのです!
やわらかな慈雨が
この岩に穴をあけたのです
どこからか種がやってき
うまい具合な風や雨や光だったのでしょう
穴から松が生えようとしています
教訓を見出だしたい訳ではありません
生はこれほどまでに自由なのか!
そんなことを考えていたのです
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