文月二十三日/志賀羽音
起きたら今日が始まっていた。目を開けて瞬きをしたら夕方だった。僕は何をしていたのだろうか。テーブルにあったワッフルを食べた気がする。映画を見たような気がする。夢だったのだろうか。そうなると僕は目を開けたまま夢を見ていたことになる。僕はドライアイなのに、なんて自殺行為のようなことをしていたのだろう。角膜は乾いて硝子になっていないだろうか。目薬をすると、眼球が茹でられた。(乾いたプランターの土が勢い良く水を吸っていた。そんなに焦らなくとも水はまだあるというのに。土はせっかちで嫌いだ。お前ら、花を見習え。水が無くて枯れようが平然としているだろう。まるで花は白鳥の湖だ。水上では優雅に澄まし、水中ではえっち
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