絵/番田
テーブルに光るいくつかのよだれに
いろいろな画家の画集をめくっていたが
そのあるいはオイルのようなものは
水よりも高いのだろうかと
絵を完成させようとせずに
誰も人のいない画家であろうわたしの
描いたアトリエにあるフローリングの色の
そこに誰も見ることのない絵なのか
けれど壁に掛けて眺めていると
妙にぼんやりと価値を感じずに
私は夜の窓辺に立つのだろうかと
ぼんやりと手にはしない
グラスにウイスキーを注ぐのか
エビアンという硬質な水の
ミネラルウォーターを飲まない
私の全ては認められていくみたいだけれど
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