毎日には特別することがない/ホロウ・シカエルボク
おためごかしを強要されるぐらいしかやることがない仕事の中で
ぼんやり椅子に座って雨の音を聞いてる
梅雨が明けたって話を誰からも聞かなかったけれど
日本全国が言うにはだいたい明けているらしい
どうせ濡れるなら同じことだけどな
どうせ濡れるんなら全く同じことだ
どうしても濡れることが出来ない甘ったれのせいで
狭い道路は軽自動車で渋滞している
運転席に居る連中の大半は
携帯電話を耳にあてた若い女ばかりさ
撥ねてから気づくんだろう
轢きつぶしてから気づくんだろうな
自分の無分別について
雨の音が聞こえなくなって
空がだんだんと明るくなってくる
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