毎日には特別することがない/ホロウ・シカエルボク
がらヴェランダで雀が叫んでいた
"これだけはどうしても言っておかなくちゃならないんだ"
とでも、言わんばかりの懸命な調子で、ああ
俺がもしも雀だったのならあいつとはきっと美味い虫がついばめただろうにな
おはようございます、と、テレビが言った
俺は挨拶を返さずにテレビを消した
愛想よくしたところでどうせやつは聞いちゃいないから
喋りたいことを一方的に喋り続けるだけで
さめざめとした空気、心を持った埃みたいな匂い
ささやかな匂いなのに全てに勝ってしまうのは何故
シグナルの青が恨みつらみを隠しているみたいに見える
いつでもベストな感覚とは言
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