テーブルとボールペンとそのままの指先と/番田 
 
テーブルの上にはボールペン
こいつで詩を書こうと思っていない

手はコントローラーを握ろうとせず
考えながらタバコに火をつけると眠くなく
誰からも相手にされないと思っていたらしい

窓に月がのぼり、隣の家がシルエットになっていた

幼い頃はゲームで憂さ晴らししていたけれど
野球のグローブも入らないだろう
言葉になにかを求めて歩くけれど

僕はつまり誰かと手をつないでいる方がよっぽどいい
僕はたぶん死んだのか
ロックンロールみたいな幻を見たのかと

そしてラーメンを一杯すすってみる

そうすれば考えることなく書けるのさと
ずいぶん大きかった
僕に誰かの言葉があることだろう
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